さらば、名将・・・。

大学に通い始め、藤井寺球場の前を毎日通るようになったことで
何となく足を運びだしたことから、自分の近鉄ファン歴は始まった。
その年こそ、彼が監督を引き受けた初年度。そして、伝説の
10.19の年であった。
そして、その翌年にこれまた伝説となっているブライアントの4連発で
奇跡の逆転優勝。その胴上げシーンを藤井寺のライトスタンド最上段で
直に目にすることができた。
その瞬間は、誰彼かまわず隣近所にいた人々と握手したり、抱き合ったり。
自分の野球観戦史では、今でも最高のシーンである。
その後のオリックスでの名采配は、ここで語るまでもないだろう。



今思うと、自分の身体のことはわかっていたのだろう。
それでも、自らがかつて率いたチームの再出発のために
文字通り命を削る覚悟で監督を引き受けたのではという気がしてならない。
3色ユニフォームに身を包み、藤井寺の1塁側ベンチにあくまで目立つことなく、
しかし、大きな存在感をもって佇む。
彼のイメージは、今もあの頃から変わらない。おそらくは、これからも。



仰木彬監督、今まで本当にありがとうございました。
まだまだ迷走が続くであろう日本球界ですが、空の上から見守ってくれることを
近鉄ファンとして、そして一野球ファンとして切に願うばかりです。